あの新年の二日酔い、最初から防ぐ方法とは 米専門家が解説
3杯半のアルコールを飲んだだけで、1リットル近い水分がわずか数時間で体から失われるとブリック氏は言い、「それだけの量の水を補う必要がある」と指摘した。
スウィフト氏によると、アルコールによる脱水の影響は女性の方が大きい可能性があり、飲酒量は少なくても男性より二日酔いになりやすい傾向がある。同じ体格でも男性の方が体内の水分の割合が大きいことから、アルコールが希釈されやすいという。
添加物の少ないビールやワインを選ぶ
私たちが飲むアルコール飲料はエチルアルコールまたはエタノールと呼ばれ、大抵は穀物、ブドウ、ベリー類などの炭水化物やでんぷんを発酵させてつくられる。発酵の副産物は別の用途にも使われる。エタノールは車のガソリンに添加され、メチルアルコールやメタノール(有害物質)は溶剤、殺虫剤、代替燃料として使われる。
それだけではない。メーカーが味や香り付けのために添加する化学物質は、まるで工業用品の一覧のようだ。ギ酸エチル、酢酸エチル、n―プロパノール、イソブタノール、n―ブタノール、イソペンタノール、イソアミルアルコール。「コンジナー」と呼ばれるそうした不純物の添加量は毒にならない程度の少量だが、その影響に対して過敏な人もいる。
専門家によると、全般的に色の濃いビールやスピリッツ類の方がそうした不純物が多い傾向があり、従って二日酔いの原因になりやすい。二日酔いの強さについて調べた2010年の調査では、色の濃いバーボンを飲んだ人と、無色のウォッカを飲んだ人の2日酔いの程度を調べた。
「バーボンのコンジナーは二日酔いの程度を著しく強める。そのことに驚きはない。バーボンにはウォッカの約37倍のコンジナーが含まれる」(ブリック氏)
敏感な人にアレルギー反応を引き起こすことで知られる亜硫酸塩という化学物質も、発酵による自然の副産物として少量ながら発生する。ただ、保存期間を延ばすため、亜硫酸塩を製品に添加するビールやワインのメーカーも多い。(亜硫酸塩はソーダ、シリアル、甘味料、缶詰、超加工食品、医薬品などにも添加される)
甘いワインや白ワインは赤ワインよりも亜硫酸塩の添加が多い傾向がある。ただ、赤ワインに多く含まれるタンニンは、亜硫酸塩と同様、敏感な人にアレルギー反応を引き起こすことがある。
つまり、飲むのは軽いビールや無色のリカー類、白ワインにしておけば、二日酔いを防ぐ助けになるかもしれない。
自制
しかし結局のところ、真に二日酔いを防ぐ唯一の方法は、飲まないこと、あるいはごく少量にとどめておくことだと専門家は話している。