海岸で暮らす生き物、太平洋上のプラスチックごみに生息 外洋で豊かな生態系を形成と研究者

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外洋性のフジツボやコケムシと沿岸のイゾギンチャクがともに付着したプラスチックごみ/Courtesy Linsey Haram/Smithsonian Institution

外洋性のフジツボやコケムシと沿岸のイゾギンチャクがともに付着したプラスチックごみ/Courtesy Linsey Haram/Smithsonian Institution

ハラム氏らのチームは2018年11月から19年1月にかけて、太平洋ゴミベルトから引き上げたプラスチックごみ105点を調査。その結果46の別個の種からなる海洋性無脊椎動物484体を確認した。このうち8割は通常なら海岸に生息する種が占めたという。

一方でプラスチックごみからは外洋に生息する種も多く見つかった。ごみの3分の2には双方の群集が存在していたとハラム氏は指摘した。

同氏によると、新たな種が外洋に暮らすようになる影響についてはまだ完全に理解されていない。居場所やえさの取り合いが起きる公算は大きく、互いを捕食している可能性もあるが、実際に何が起きているのかを正確に把握するのは難しい。

それでも一部のイソギンチャクが外洋の種をえさにしている証拠はつかんでいるとし、二つの群集の間にある種の捕食関係が存在するのは分かっていると、ハラム氏は付け加えた。

本来海岸に暮らす生物がどのように外洋に到達し、そこで生き延びているのかはまだ謎のままだ。例えば海岸近くのプラスチックごみの一部に付着しただけなのか、あるいは一度外洋に出てから新たなプラスチックごみの上でコロニーを作ることができたのか、といった疑問にも答えは出ていない。

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