米政府、UFOの可能性がある事案650件以上を追跡 国防総省
(CNN) 米国防総省に昨年新設された全領域異常対策室(AARO)の責任者、シーン・カークパトリック氏は19日、米政府が650件以上の「未確認航空現象」を追跡調査していることを明らかにした。こうした現象は通常、未確認飛行物体(UFO)と呼ばれる。
上院軍事小委員会での証言で明らかにした。今年1月に公開された情報報告書で言及されていた事案の件数は約350件だった。
カークパトリック氏は650件以上のうち約半数について、異常現象であり興味深い価値があるとみて、優先的に調べる方針を明らかにした。
AAROは国防総省や情報機関による外国の新興技術の特定を支援しており、2月に米上空を飛行した中国の高高度偵察気球の特定にも貢献した。
カークパトリック氏は議会証言で、機密解除された事案2件の動画を再生。1件は解決済みの事案で、もう1件はまだ解決されていない。
1本目はMQ9無人機が2022年に中東で捉えた映像で、スクリーンを通過する小さな球体が映っている。無人機のカメラはこの物体を追跡し、スクリーンから出たり入ったりする様子を捉えている。
本件についてはこの動画以外に証拠がなく、解決には至っていない。「この動画のみを基に正体を突き止めることは実質的に不可能」という。
南アジアで今年撮影された2本目の動画には、MQ9無人機2機の横を飛行物体が通り過ぎる様子が映っている。MQ9のうち1機が撮影した動画では、推進剤が尾を引いているように見え、最初は「真の異常現象」だと考えられていた。
しかし、この動画をフレームごとに解析した結果、「これは赤外線が捉えたもので、MQ無人機2機のそばを偶然飛行していた小型旅客機のエンジンが発した熱だ」との見方に至ったという。