米ヴァージン・オービットが破産申請 英富豪ブランソン氏創業のロケット企業
ロンドン(CNN) 英国の富豪、リチャード・ブランソン氏が創設したロケット企業ヴァージン・オービットが、米国で破産を申請した。
米カリフォルニア州に拠点を置く同社は3日の声明で、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請。これは債務を再編する間、事業を継続できることを意味する。
ヴァージン・オービットのダン・ハート最高経営責任者(CEO)は、同社の有する「最先端の打ち上げ技術」が「買い手にとっての大きな魅力」になるとの考えを表明。引き続き会社売却の手順を進めているとした。
関連会社の一つ、ヴァージン・インベストメントはオービットに3160万ドル(約42億円)の資金を注入する。これを支えに事業を成立させつつ、新たな買い手を探す方針だ。
今回の発表の数日前、ヴァージン・オービットは従業員の約85%を解雇すると明らかにしていた。コスト削減が目的で、追加の資金を確保するめどが立たなかったための措置だという。
2017年に創業した同社は、「ランチャーワン」と呼ばれる小型ロケットを製造。軽量の人工衛星を軌道まで迅速かつ安価に送れるこのロケットは、改造したボーイング747型機から打ち上げられる。
人工衛星打ち上げの商業化を目指す企業には他に、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が率いるブルーオリジンなどがある。