スペースXのスターシップ、宇宙空間に到達 3回目試験
(CNN) 米宇宙企業スペースXは14日、米南部テキサス州の発射施設から史上最大の新型ロケット「スターシップ」を試験で打ち上げた。スターシップはブースター(推進装置)から切り離され、順調に宇宙空間に到達。その後大気圏に再突入してから交信が途絶えたが、打ち上げ後に爆発した過去2回の試験に比べ大きな成果を収めた。
同社によると、スターシップは軌道に入るのに十分なスピードに到達。また飛行中に燃料を移し替えたり、貨物扉を開閉したりする試験を実施した。これらの試験が完全に成功したかどうかは今後データで検証する。
予定されていたインド洋へのスターシップの着水はなかった。同社が運用する衛星通信システムのスターリンクと、追跡データ中継衛星システムの両方との交信が同時に途絶えたことから、スターシップは壊れたとみられる。ブースターの状態も不明。
過去2回の試験ではスターシップとブースターは目的地に到達する前に炎に包まれた。
今回の試験で順当な進展が見られたことを受けて、同社の最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は「スターシップは人類が多惑星で生きられるようにする」と所有するX(旧ツイッター)に投稿した。
米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官もXでスペースXに祝意を送った。
NASAは月面に人類を再び送る「アルテミス計画」を進めており、早ければ2026年9月にも米宇宙飛行士を送る。スペースシップはその際に使用される機材に選ばれている。