熱心なアマチュア、謎の古代民族ピクト人の指輪発見 1000年あまり地中に
発掘を率いたゴードン・ノーブル教授(考古学)は、ラルフさんから見せられた遺物は「本当に見事」だったと絶賛する。
「発掘を行っていたジョンがやってきて、『私が見つけたこれを見てください』と話しかけてきた」とノーブル氏。「保存作業を行う前から、本当に刺激的な発見だということは分かっていた。1000年以上ものあいだ地中に埋まっていたのに、ざくろ石の象眼がきらめいているのが見えたから」と振り返っている。
ピクト人は現在のスコットランド東部や北東部に居住していた古代民族。アバディーン大のウェブサイトによると、この民族について分かっていることはほとんどなく、「600年にわたる彼らの生活を裏付けるものとしては、限られた異論の多い文書が残っているのみ」だという。紀元9世紀にはピクト人の痕跡は文書からすべて消え去った。
ノーブル氏は「これまで見つかったピクト人の指輪はきわめて少ない。分かっている情報はほぼ、保管目的で意図的に地中に埋められていた秘蔵品から得られたものだ」と説明する。
「このような遺物が大して重要でもなさそうな民家跡の床の辺りに眠っているとは予期しておらず、通常通り、発掘最終日まで作業を後回しにしていた」(ノーブル氏)
この指輪については現在、スコットランド国立博物館で分析が行われている。