ペニシリン発見当時のカビ、円形容器に収め競売へ
フレミングは同様の円形容器をいくつも著名人に贈っている。ローマ教皇ピウス12世、英エリザベス女王、英フィリップ殿下、女優のマレーネ・ディートリヒ、チャーチル英首相、セオドア・ルーズベルト米大統領などがそれらを受け取った。
オークションの目録は、「これらのカビの入った円形容器は、フレミングの人類への貢献を今に伝える。20世紀で最も重要な進歩の一つを示す遺物であり、それを個人が所有するのは珍しい」と記している。
ペニシリンの発見は、現代医学の進む道に変化をもたらした。抗生物質が重要な役割を果たし、20世紀を通じて多くの疾病の脅威は低減した。
現在その有効性は、抗生物質に対する耐性を備えた菌の出現によって脅かされている。
フレミングは生前から自身の発見が耐性菌による危機に直面する可能性があると認識し、1945年にノーベル賞を受賞した際の講演ではその危険性について警鐘を鳴らしていた。