ペニシリン発見当時のカビ、円形容器に収め競売へ
ロンドン(CNN) ペニシリンの発見に関連した当時のカビの一部を収めた円形の容器が、今月オークションにかけられる。落札価格は最高で5万ドル(約730万円)と予想されている。
容器は英スコットランドの細菌学者、アレクサンダー・フレミングが「医学史上最も重要な発見の一つ」を成し遂げる過程で制作した。オークション会社のボナムスが2日、声明で明らかにした。
声明によれば、フレミングが世界初の抗生物質を発見したのは偶然の産物だった。「1928年、たまたま培養中のブドウ球菌を開け放した窓のそばに置いたまま休暇に出かけた」のがきっかけだった。
「培養物は空気中のカビに汚染された。それを処分する前、彼(フレミング)はカビがブドウ球菌の通常の成長を妨げているのに気付いた」と、声明は続ける。
フレミングは円形の容器を姪(めい)への贈り物として制作し、次のようなメッセージを刻印した。「ペニシリンを作ったカビ/アレクサンダー・フレミング」
オークションの目録によると、容器には当時発生しペニシリンの元となったカビのサンプルが吸い取り紙に乗った状態で収まっている。容器は黒いプラスチック製で直径53ミリ。ガラスのカバー越しにカビが見える作りになっている。
オークションは今月13日から23日にかけて、オンラインで実施される。予想落札価格は3万~5万ドル。