湖の夢幻的なオタマジャクシ、今年の大賞に 野生生物写真家コンテスト
ロンドン(CNN) 今年の野生生物写真家コンテストで、セイブヒキガエルのオタマジャクシの群れを捉えた幻想的な水中写真が大賞に輝いた。
主催者の8日の発表によると、受賞作はカナダの写真家シェーン・グロス氏が撮影した「生命の群れ」。過去最高となる5万9228点の応募作の中から選ばれた。
主催者は「シェーンがこの写真を撮影したのは、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー島のシダー湖で、スイレンの葉の間を数時間スノーケリングしていた時のことだった。湖底を覆う泥や藻の薄い層をかき乱さないよう、細心の注意を払った」と説明した。
生息地の破壊や捕食者により、これらのオタマジャクシは準絶滅危惧の状態にある。ふ化後4~12週間でヒキガエルに成長するが、このうち99%は生き延びて成体になることができないと推定されている。
審査委員長を務めるキャシー・モラン氏は「光とエネルギー、環境とオタマジャクシのつながりが混然一体となった光景に魅惑された」とコメントした。モラン氏は米誌ナショナル・ジオグラフィックで写真関係の要職を務めた経験を持つ。
若手野生生物写真家賞は「枯れ木の下の生命」を撮影したアレクシス・ティンカー・ツァバラス氏に贈られた。この写真は、粘菌や小さな節足動物トビムシを捉えた写真36枚を合成したもの。
これら二つの大賞の受賞者は、各部門賞の受賞者18人の中から選出された。部門賞に輝いた作品にはリスを食べるタカ、陽光を浴びながら伸びをするオオヤマネコ、チョウを狩るハヤブサの写真などが含まれる。
英ロンドンの自然史博物館では11日から、受賞作100点の展示会が開催される。