琥珀に閉じ込められたホタル、未知の種と判明 恐竜の時代に夜空照らす

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9900万年前の琥珀に閉じ込められたホタルは中生代の未知の種であることが分かった/Courtesy Professor Chenyang Cai

9900万年前の琥珀に閉じ込められたホタルは中生代の未知の種であることが分かった/Courtesy Professor Chenyang Cai

(CNN) 2016年にミャンマー北部で9900万年前の琥珀(こはく)に閉じ込められた状態で見つかったホタルについて、中生代後期の夜空を照らしていた未知の種であることが分かった。中生代のホタルで存在が確認されたのは2種目。

15年に記録された1種目の中生代のホタルを分析した22年7月の研究によると、科学者の間では、ホタルが飛行中に発光する能力を発達させたのは少なくとも1億年前と推定されている。ただ、ホタルの体は比較的軟らかく、化石内の保存状態がよくないことから、当時のホタルの死骸を入手するのは難しい。このため、飛行中に生物発光する能力が進化した時点をピンポイントで特定するのは困難だという。

このほど確認された2種目は「フラマリオネラ・ヘハイクニ」と名付けられた。英国王立協会紀要に9月11日付で発表された研究によると、ホタルやその特徴の進化に対する科学者の理解の一助になる可能性がある。

論文の筆頭著者を務めた中国科学院南京地質古生物研究所の蔡晨阳教授はメールで、「この化石はホタルの属する甲虫の科の進化の歴史に対する理解の穴を埋める一助になる。腹部の発光器官のような主要な特徴が、白亜紀中期から一貫して残っていることを示すものだ」と指摘。「かつて恐竜が夕暮れ時を飛ぶホタルを目にしていたとは、何て素敵なことか」と語った。

腹部に位置する発光器官は、現在のホタルにみられる器官と似通っている/Courtesy Professor Chenyang Cai
腹部に位置する発光器官は、現在のホタルにみられる器官と似通っている/Courtesy Professor Chenyang Cai

ホタルが発光する理由はさまざまだが、防衛機制やコミュニケーションの方法、交尾の相手を引きつける手段であることが多い。1億年前のホタルの光がどのようなものだったか想像するのは難しいが、現在と同じような外観だった可能性もあるという。

今回の論文によると、著者たちはフランスの天文学者カミーユ・フラマリオンや、他にも複数の琥珀標本を寄付したアマチュアの収集家に敬意を表して学名を付けた。

英ロンドンの自然史博物館によると、現在生息するホタルは2000種以上。チェコ・パラツキー大学オロモウツの昆虫学者、ロビン・クンドラタ准教授によると、論文の著者らの仮説では、新たに報告された太古のホタルは腹部の発光器官の位置から、現在約450種を擁する亜科に属する種とみられる。

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