宇宙旅行者が直面する「病」とは、民間宇宙飛行士が解決できる可能性

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地上への帰還後、MRI検査を受けるジャレッド・アイザックマン氏/Courtesy TIME Studios

地上への帰還後、MRI検査を受けるジャレッド・アイザックマン氏/Courtesy TIME Studios

一方でポティート氏は、宇宙滞在の最初の数日間に視力が著しく低下しており、これは宇宙飛行に関連する「神経眼症候群(SANS)」と呼ばれる症状を示している可能性があると述べた。

NASAは、宇宙飛行士の最大70%がこの状態を経験していると推定する。この症状は、体液の移動によって引き起こされ、眼圧の変化が原因の可能性がある。

ポティート氏の視力の変化は、クルーが装着した特殊なコンタクトレンズによって収集されたデータに現れるかもしれない。この実験は「サイボーグ実験」と名付けられ、コンタクトレンズはミッション中、眼圧に関するデータを収集するよう設計されていた。

宇宙への適応

地球に戻ったポティート氏の視力はすぐに正常に戻った。

ポティート氏は、一般的に地球上での乗り物酔いと宇宙適応症候群の間には相関関係があると考えられていると話す。ところが、同氏はタクシーを利用すると乗り物酔いをする傾向があるにもかかわらず、宇宙ではそのような症状は経験しなかったという。

ポラリス・ドーンのクルーが宇宙空間での病気を理解するために行った別の実験では、打ち上げ直前と地球帰還直後に一連のMRI検査が行われた。

メノン氏によれば、MRIの画像は脳の解剖学的構造の変化を示していた。

国際宇宙ステーション(ISS)国立研究所の副主任研究員ドナ・ロバーツ氏によると、この変化には、宇宙飛行士の頭蓋骨(ずがいこつ)内で脳が上方に移動することが含まれていたという。同氏は、MRIデータの最初の検討では「臨床的に懸念される所見は何も示されなかった」と述べた。

ロバーツ氏によると、宇宙飛行によって、脳室と呼ばれる、脳の中心にある液体で満たされた空洞も拡大する可能性があるが、その理由は明らかではないという。

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