プロテインパウダーから鉛やカドミウム検出、植物性やオーガニック製品は数倍の含有量
(CNN) 筋トレ効果を高める目的で使用する市販のプロテインパウダーには、許容量を超す鉛やカドミウムが含まれていることがあり、特に植物性やオーガニック、チョコレート味の製品は含有量が多いという調査結果が9日に発表された。
米環境保護庁(EPA)によると、鉛はどんな量であっても人体に有害とされる。労働省労働安全衛生局によれば、カドミウムには発がん性があり、心臓、腎臓、腸、脳、呼吸器、生殖器に対して毒性をもつ。
分かりやすい食品成分表示を推進するNPO「クリーンラベルプロジェクト」の発表によれば、オーガニックのプロテインパウダーは、平均すると非オーガニック製品に比べて鉛の含有量が3倍、カドミウムは2倍だった。
大豆やコメ、マメ類などを原料とする植物性パウダーの場合、ホエイパウダーと比べて鉛の含有量は3倍に上った。
植物は地殻から重金属を吸収しているが、鉱業や産業廃棄物、一部の農薬や肥料によってさらに汚染された土壌で栽培された場合は高濃度の重金属を含む可能性がある。
チョコレート味のプロテインパウダーについては、バニラ味に比べて鉛の含有量が4倍、カドミウムは最大で110倍に上った。
ダークチョコレートにはフラボノイドや抗酸化物質などの有益なミネラルが豊富に含まれる半面、高濃度の重金属が含まれることも分かっている。2024年7月の調査では、72種類のダークチョコレート製品のうち43%から、カリフォルニア州安全飲料水および有害物質施行法(プロポジション65)で定める許容量0.5ppmを超す鉛が検出された。
サプリメント製造業者でつくる業界団体はCNNの取材に対し、今回の報告では汚染判定にどのような基準が使用されたのか、製品がどのように選定されたのをめぐる透明性が不十分だと反論している。
クリーンラベルプロジェクトの24年調査は、プロテインパウダーのベストセラーブランド70社の160製品を対象とした。ただし製品名は公表していない。
プロテインパウダーは独立の認定検査機関に送り、258種類の汚染物質について約3万6000回の個別検査を行った。
このうち今回の報告の対象としたのは鉛、カドミウム、ビスフェノールA(BPA)およびビスフェノールS(BPS)のみ。残る汚染物質のデータは後日公表するとしている。
BPAとBPSについては、18年の検査では55%の製品から検出されていたが、今回の検査では調査対象とした160製品のうち検出されたのは3製品のみだった。
重金属については、鉛とカドミウムの含有量をカリフォルニア州のプロポジション65の基準値と比較した。
その結果、全体では160製品のうち47%がカリフォルニア州の基準値を超え、21%については含有量が基準値の2倍に上ることが分かった。
鉛の含有量が基準値を超えていた製品は、植物性パウダーとオーガニックパウダーでは80%近くに上る一方、コラーゲンパウダーは26%、ホエイパウダーは28%にとどまった。