試合前に追悼した元選手、実は生きていた ブルガリアのサッカーチームが謝罪
(CNN) ブルガリアで行われたサッカー1部リーグの試合で、元選手に哀悼の意を表して両チームの選手が1分間の黙祷(もくとう)をささげた。ところが間もなく、この選手は死亡していなかったことが分かり、チームが謝罪した。
16日に行われたレフスキ・ソフィア対アルダ・クルジャリの試合。キックオフ前に両チームの選手がフィールドのセンター付近に並び、アルダの元選手ペトコ・ガンチェフさんを追悼した。
ところが試合終了前にアルダがフェイスブックに声明を掲載してガンチェフさんに謝罪した。
「彼の死について誤った情報が入った」とアルダは釈明し、「アルダの成功を楽しんでもらえるよう、ペトコ・ガンチェフにはこれからもずっと元気でいてほしい」と付け加えている。
この日の試合はアルダとレフスキが1―1の引き分けだった。
ガンチェフさんは地元メディアの取材に対し、自分の「死」を知らされた時の様子を振り返った。
「アルダの試合はテレビで必ず見ている。レフスキ戦の時は用事があったので10分ほど遅くなった」「車で帰宅する途中で電話が鳴り始めたけれど、運転中だったので出なかった」。ガンチェフさんはそう語る。
「家の前に車を止め、庭に入ると妻が涙ながらに私を出迎えた。『テレビであなたが亡くなったって発表したの!』。妻が何を言っているのかも、何が起きたのかも分からなかった」
「生き埋めはストレスが大きい。正直なところ、あまり愉快な状況ではなかったけれど、結局のところ、私たちは前向きでいなければならない。昨日あの恐ろしいニュースを聞いた時は、小さなブランデーを自分に注いだ」。ガンチェフさんはそう言って笑顔になった。