9900万年前の琥珀が閉じ込めた寄生バチ、獲物の体内で幼虫を育てる奇抜な生態
似たような生態は現代の寄生バチにも見られる。ヤドリスズメバチ(別名カッコウバチ)は種類の違うスズメバチの巣に卵を産み付け、孵化(ふか)した幼虫は宿主の幼虫を食べて育つ。
琥珀の中の化石には、遠い過去が立体的に閉じ込められている。これまでにも植物や花に加え、恐竜の尾、カニ、地獄アリ、クモの親子、ホタルなどが見つかっている。

発見された寄生バチの復元イメージ/Xiaoran Zuo
今回の標本が閉じ込められていた琥珀は、中国との国境に近いミャンマーのカチン地域で出土して化石の愛好家が購入し、2016年に首都師範大学に寄贈された。
しかし21年の軍事クーデター以来、同地から出土した琥珀をめぐる倫理的な懸念が浮上。学会からは、ミャンマー産の琥珀に関する研究の一時停止を訴える声も出ている。