イスラエル、アフリカ難民1.6万人をカナダや欧州へ
エルサレム(CNN) イスラエルはアフリカからの難民希望者をサハラ以南の第三国へ退去させる計画を中止し、1万6000人余りをカナダやイタリア、ドイツへ引き渡す見通しとなった。ネタニヤフ首相が2日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との間で合意に達したことを明らかにした。
ネタニヤフ氏によると、最初の6000人は今後1年半のうちに出発する。
イスラエルには現在、独裁体制のエリトリアや紛争と貧困にあえぐスーダンから逃れてきた難民希望者約3万7000人が暮らしている。政府は当初、こうした人々に3500ドル(約37万円)と航空券を支給してアフリカの第三国へ送る計画を発表。行き先はウガンダやルワンダになるとの見通しが報じられていた。
この計画に対して人権団体が強く反発。イスラエル最高裁は3月15日、執行の一時差し止めを命じていた。
同国には2013年に国境のフェンスが完成するまで、アフリカから多数の難民希望者が流入していた。この10年間で計5万4600人が難民申請を出したとされるが、認定されたのはわずか33人。当局は担当スタッフを増員したとしているが、手続きは滞ったままだ。
一方、欧州連合(EU)では17年1~9月に申請した難民希望者の9割近くがすでに認定を受けている。