ローマ法王、移民の男性に洗礼施す 復活祭の儀式で
(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は、このほど行われたイースター(復活祭)の礼拝で、ナイジェリア出身の移民の男性に洗礼を施した。この男性はローマ市街で泥棒に立ち向かったとして称賛を浴びていた。
31歳のこの男性は昨年9月、ローマにあるスーパーの外で物乞いをしていたところ泥棒に遭遇し、これと対峙(たいじ)していた。泥棒は肉切り包丁を持ち、この店から金を盗もうとしていたという。
男性はイタリアのメディアから英雄的行動をとったとして称賛され、3月31日のイースターの礼拝で他の7人とともに、バチカンのサンピエトロ大聖堂でフランシスコ法王から洗礼を受けることになった。
昨年は数千人のナイジェリア人がリビア経由で地中海を渡り、イタリアにたどり着いた。多くは紛争を逃れた難民や、欧州でよりよい職を得ようとする経済移民だ。
ほとんどの難民・移民は、渡航を手配する業者への支払いのためあらゆる家財を処分している。
上記の男性についてはイタリア国内での滞在許可が出ていなかったが、その勇気ある行動を考慮した当局が居住を認めた。現在はイタリア赤十字で勤務している。洗礼に当たってはローマ警察の警部に代父としての立ち会いを求めた。
フランシスコ法王は就任以来、中東やアフリカから欧州に流入する移民の苦難について、問題視するコメントを何度も発している。