世界唯一の「水中」ギャラリー、沈没船に息吹
ドッド氏は「写真の表面に付着した藻などの海洋植物は、写真が長期間、海底で展示されていたことを物語っている」とし、「ギャラリーに運び込まれた写真の荷ほどきをした時、強烈な匂いが建物中に広がった。まるで生物のようだった」と語った。
現在、ヴァンデンバーグの写真は地上の芸術愛好家たちを魅了しているが、フランケ氏はまた新たな水中プロジェクトで再びダイバーたちを魅了している。今回の舞台はカリブ海のバルバドス島沖だ。
そこに沈む1950年代のギリシャの貨物船、スタヴロニキータには、まるで宮殿のような水中の舞台で戯れるルネサンス期の貴族を描いた12枚の写真が展示されている。
フランケ氏は、ヴァンデンバーグの写真と同様に、バロック風の衣装を着たモデルたちの写真をスタヴロニキータの写真に重ね合わせた。
フランケ氏は「スタヴロニキータは35年も前に沈没したため、圧倒的な量の素晴らしい藻やサンゴが存在する」とし、「モデルたちの凝った髪型を見ると、それが周りの雰囲気にぴったり合っているのが分かる」と付け加えた。
これらの写真は今でこそ汚れのないきれいな写真だが、ヴァンデンバーグの例を見ると、スタヴロニキータで戯れる美しい女性たちも、いずれ水上に出てくる時には思わず写真を撮りたくなるほど美しくはないかもしれない。