放棄された豪華客船が巨大キャンバスに
しかし、1970年にカー・フェリーに変更され、1978年までにスクラップになるはずだったが、同年、4人の起業家がデューク号を地上のレジャー・商業施設にする目的で購入した。
デューク号は、1979年にディー川河口に引き上げられ、ショッピングモール、映画館、ゲームセンター、レストラン、ナイトクラブ、ホテルを備えた複合施設「ファンシップ(楽しい船)」に生まれ変わった。
不気味なひらめき
しかし、楽しい時は長くは続かなかった。地方自治体が安全面の不安を理由に船への支援を打ち切り、ファンシップは1985年に閉鎖された。
ウイリアムズ氏は、「地方自治体との長期に渡る議論の末、オーナーたちはファンシップを閉鎖し、他の事業に集中する決断を下した」と述べる。
ウイリアムズ氏はまた、「(船のオーナーの1人である)ジョン・ローリー氏は常に、船を有意義に活用したいと考え、その実現に向けひたすら努力を続けてきた。船内はまるでタイムカプセルのようだ。所々わずかに破壊されているが、それ以外は完璧な状態だ」と話す。
しかし、この手付かずの内装が逆に幽霊船のような不気味さを醸し出し、人気のない河岸で一際目を引く。
「大変不気味な場所だが、不気味さも人々の興味をかき立てる要素の1つだ」とウイリアムズ氏は語る。