W杯前夜のブラジルを悩ます児童売春問題
アントニア・リマ・ソーザ検察官によれば、こうした少女たちは、社会から省みられず、深刻な女性蔑視の伝統のある非常に貧しい層の出身だという。
フォルタレーザは児童売春が盛んなことでも有名だが、背景にはやはり貧困の問題がある。警察は児童売春を取り締まっているほか、市当局も新たな対策を行ったとしている。
売春によって妊娠した少女たちを支援している団体の関係者によれば、昨年6月のコンフェデレーション・カップの際に警察は未成年の売春婦やストリートチルドレンを町の外にある施設に保護した。ところがコンフェデ杯が終わると子どもたちは施設を出されたという。このことについて、警察からコメントは得られなかった。
「警察が気にかけているのは子どもたちが健全な環境で育つことではない。子どもたちを隠すことだけだ」とこの関係者は言う。
別の援助団体では、売春婦だった少女たちに基本的な教育や職業訓練を受けさせている。多くの若者が料理人や美容師、コンピューター技術者に育っているという。
21歳のジュシレイジさんも職業訓練を受けた1人だ。売春婦になったのは13歳のとき。失業中の母親には黙っていたが、15歳の時に発覚した。