W杯前夜のブラジルを悩ます児童売春問題
「母は泣いてやめてくれと言ったけれど、私は『ママ、これならば簡単にお金が稼げる』と答えた」とジュシレイジさんは言う。
ジュシレイジさんはかつて外国人の客を見つけるのに利用したビーチのバーに取材班を連れていった。夜になると、店内は、主に欧州から来た年配の男性客でいっぱいになる。セクシーな身なりの若い女性が店内をうろうろし、男性客と電話番号を交換したり、一緒に腕を組んで出ていったりする。
そして夜中になると、売春婦たちは外に出てきて、警察署の前だろうとかまわず道行く車に声をかける。
10歳代前半にしか見えない売春婦も多かった。話を聞いた自称16歳と17歳の少女2人もそうだ。2人はにこりともせず、かすれた小さな声で話をした。
1人はこの商売を始めてまだ2カ月。もう1人は稼いだ金で洋服や学用品を買っていると語った。
妊娠しても客を取らざるを得なかったと語る少女たちもいた。ジュシレイジさんもそうだった。
W杯では外国から60万人のサッカーファンが訪れると予想されている。