賭け事防止のはずが宣伝に? CM作り直し シンガポール
(CNN) シンガポールの国家当局がギャンブル問題の深刻さを訴える目的で制作したCMが、サッカー・ワールドカップ(W杯)のドイツ優勝を意図せず言い当ててしまい、CMの作り直しを迫られた。
問題のCMはW杯の開催期間に合わせて国家ギャンブル問題対策協議会が制作し、テレビなどで放映された。アンディという男の子が沈んだ表情で「お父さんがドイツの勝利にボクの貯金を全部かけてしまったので、どうしてもドイツに勝ってほしい」と訴える内容。
そしてその願い通りになった。
ドイツが準決勝でブラジルに圧勝したあたりからこのCMが話題になり始め、米コメディ番組の司会者も「少年よ元気を出せ。お父さんはドイツにかけて大金持ちだ。君はもう大学なんて行く必要さえなくなった」とからかった。
しかし当局はこの注目を逆手に取って続編を制作した。アンディ少年は友人から「お父さんのチームが勝ったね。貯金は取り戻した?」と尋ねられて「ううん。お父さんは止まらない。もっとかけたいって言うんだ」と答え、続いて「ギャンブル問題のために苦しむのは、ギャンブルをしている本人とは限りません」というテロップが流れる。
シンガポールではギャンブルやそれに絡む高利のローンが社会問題になり、当局が違法賭博などの摘発に乗り出している。