艾未未氏、ビザ発給で英当局と対立
艾氏はインスタグラムの別の投稿で、作品展の開幕式には出席できないと発言。また、入国審査担当官から口頭で、2011年の秘密逮捕や脱税での起訴に言及され、申請書に誤った情報があったと主張されたとも記載した。
艾氏は「起訴されたことも有罪判決を受けたこともない。英国のビザ・入国管理当局や北京の英国大使館に何度か電話で問い合わせたが、情報源の正確さを主張されただけで、誤った判断だとは認めてもらえなかった」「この決定は、艾未未の一般市民としての権利を否定するとともに、人権活動家に苦しみをもたらす側に(英国側が)立つことを意味している」と述べた。
英内務省は、「艾氏がビザの発給を拒否されたという報道は不正確だ」「艾氏には申請のあった滞在期間全てについて、英国への渡航を可能にするビザが発給されている」と述べた。ただ、個別案件に関するこれ以上のコメントはできないとし、艾氏の公開した手紙の真贋(しんがん)についても言及を避けた。
艾氏は政治活動家の摘発が相次いでいた11年4月、香港に向かう途中、北京の空港で身柄を拘束され、その期間は81日間に及んだ。一連の摘発は「アラブの春」に感化された暴動を当局が懸念して行われたものとみられている。
同年6月に保護観察を条件に釈放されたが、移動の自由は厳しく制限された。その後、脱税の容疑で訴追され、当局の主張は根拠がないとして争ったものの12年7月に敗訴。当局は艾氏のパスポートを没収していた。