米アーティストが伊ブランドを提訴、ドレスの柄を「盗用」
(CNN) イタリアのファッションブランド「モスキーノ」がこのほど、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に「ライム」の名で活動するアーティストから訴えを起こされたことが分かった。同ブランドの著名デザイナーがデザインしたドレスの柄が、アーティストの過去の作品に酷似しているというのがその理由だ。
カリフォルニア州の連邦裁判所に提出された訴状には、デトロイトのビルの壁に描かれたライムことジョセフ・ティアニー氏の作品の写真と、5月にニューヨークで行われたファッションショーで歌手のケイティ・ペリーさんが身に着けたモスキーノのドレスの写真とが並んで掲載されている。
曲線を特徴とした模様や色づかい、正面を見据える漫画風の目など、モスキーノのデザイナー、ジェレミー・スコット氏が手掛けたドレスの柄は、ティアニー氏のグラフィティ・アートに瓜二つだと訴状は述べている。
ティアニー氏の弁護士は訴状の中で、モスキーノ側のデザインについて「(スコット氏による)文字通りの盗用であり、あのような低劣な商業主義的イベントに作品を持ち込まれたことで、ティアニー氏のグラフィティ・アーティストとしての信用も損なわれた」と主張した。
盗用の対象になったとされるのは、ティアニー氏が2012年に制作した「バンダル・アイズ」という作品。同氏はこれまで、スポーツブランドのアディダスやコンバースでデザインを請け負うなどしているが、企業との提携に当たっては常に慎重な選定を心掛けているという。
一方のモスキーノは声明を発表し、現時点では訴状に関する具体的な内容についてのコメントを避けるとしながらも、裁判で争う意思があることを明言した。デザイナーのスコット氏は2013年にモスキーノのクリエーティブ・ディレクターに就任し、14年2月のミラノ・ファッション・ウィークで同ブランドでのステージデビューを果たしている。