ペレ氏、サムスン電子を提訴 広告にそっくりさん起用
ロンドン(CNNMoney) ブラジルサッカーの往年の名選手ペレ氏(75)が、新聞広告に自分の「そっくりさん」を起用した韓国電機大手サムスン電子を相手取り、3000万ドル(約34億円)の支払いを求める訴訟を起こした。
問題となっているのは、新製品のワイド画面テレビの広告。ペレ氏側はサムスンが「意図的で悪意に満ちた」やり方でペレ氏のそっくりさんを使っていると主張している。
米シカゴの裁判所に今月提出された裁判関係の文書によれば、ペレ氏とサムスンの間では2013年、広告出演についての交渉が行われたが、最終段階でサムスンが手を引いたという。
その後の同年10月、サムスンは米紙ニューヨーク・タイムズに、「ペレ氏に酷似した微笑む男性」の顔の横にペレ氏が得意とした「シザーズキック」という技をしているサッカー選手が映るテレビ画面を配置した広告を出したという。
ペレ氏側はサムスンがこの広告で利益を得る一方で、ペレ氏の肖像権を侵害するとともにそのブランド価値を損ねたと主張している。
バスケットボールの大スター、マイケル・ジョーダン氏も同様に、自分とよく似た人物を広告に使った企業を相手取って裁判を起こし、昨年夏に勝訴した。ペレ氏の今回の訴訟の弁護人は、この勝訴を勝ち取ったのと同じ人物だ。
ペレ氏はエミレーツ航空やバイアグラなどさまざまな広告に出演。近年の収入はこうした広告出演からのものが大半を占めている。
サムスンからのコメントは得られなかった。