殺人罪の南アの義足ランナーに禁錮6年
(CNN) 恋人の女性を射殺した罪に問われ、殺人罪で有罪判決が確定していた南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス被告に6日、禁錮6年の刑が言い渡された。
ピストリウス被告は2013年2月にプレトリア市内の自宅で、浴室内のトイレにいた恋人のリーバ・スティーンカンプさんを銃で撃って殺害したとして起訴された。裁判では、浴室からの物音を聞いて何者かが侵入したと思い込み、スティーンカンプさんとは知らずに発砲したと主張。14年9月に過失致死罪で禁錮5年の刑を言い渡されていた。
しかし上訴裁判所が昨年12月、これを覆す判断を下した。被告は相手がだれであれ、発砲した時点で殺すことになることを認識していたとの理由から、殺人罪が言い渡された。
南アの法律では殺人罪に対し、禁錮15年以上の量刑が定められている。しかし弁護側は、ピストリウス被告が当時から不安障害を抱えていたとして情状酌量を求めていた。判事は6日の量刑について、被告は更生できる可能性が高いとの理由を示した。
弁護側は裁判で、ピストリウス被告が事件当時、義足を装着していない状態で強い恐怖を感じ、スティーンカンプさんを守ろうとして発砲したと主張した。法廷では先月、被告が泣きながら義足なしで歩いてみせた。
一方検察側は、ピストリウス被告には暴力的な面があり、スティーンカンプさんと長時間言い争った末に殺害に至ったと主張。スティーンカンプさんの父親は法廷で、娘を失った悲しみを涙ながらに訴え、厳しい刑を求めていた。