アメリカ杯、初優勝狙う英ランドローバー・BAR 躍進支える自動車技術
(CNN) 英国のセーリング五輪代表として活躍したベン・エインズリー氏が2014年、世界最高峰のヨットレース「アメリカ杯」に出場する自身のチームを立ち上げたとき、下馬評は高くなかった。
165年に及ぶアメリカ杯の歴史の中で、初出場で優勝した挑戦チームは2003年のアリンギ(スイス)だけだ。
1851年に第1回大会を開催した英国は、継続的に開かれている国際スポーツイベントとしては世界最古の大会であるアメリカ杯で一度も優勝したことがない。
だが、大会初出場となるエインズリー氏のチーム、ランドローバー・BAR(英)は2015~16年にかけて行われたワールドシリーズ(WS)で、アメリカ杯前回王者のオラクル・チーム・USA(米)やエミレーツ・チーム・ニュージーランド(NZ)といったはるかに歴史の長いチームを抑えて優勝。英領バミューダ諸島で来年行われる大会には優勝候補の一角として臨む見通しだ。
躍進の陰には何があるのか。
ニュースの見出しを飾ってきたのはエインズリー氏だが、舞台裏では技術者、空気力学者、デザイナー、セーラーから成る130人のチームが、自動車産業で培われた高い技術とコンセプトを実践した。
ランドローバー・BARの技術責任者を務めるリチャード・ホップカーク氏は、「突き詰めればベンと彼のセーリングチームの力だ。彼らはワンデザイン(単一規格型)セーリングボートの分野で一流の存在であることを示してきた」と述べる。