「美女と野獣」は同性愛の宣伝? ロシアで上映禁止の提案
モスクワ(CNN) ロシアで米ウォルト・ディズニーの新作映画「美女と野獣」の劇場公開を前に、この映画は同性愛を宣伝しているとして議員が上映禁止を文化相に提案したことが6日までに分かった。
国営ロシア通信(RIAノーボスチ)によると、ロシア議会のビタリー・ミロノフ議員はウラジミル・メディンスキー文化相に宛てた書簡の中で、美女と野獣では「ゆがんだ性的関係をあからさまに宣伝している」と批判。同作品の中に「同性愛を宣伝する要素」があると文化省が認定した場合、ロシアでの上映を禁止すべきだと訴えた。
同作品はロシアで16日に劇場公開予定。文化省は現時点でまだ見解を発表していない。
美女と野獣は1991年のアニメ映画をエマ・ワトソン主演で実写化した。ビル・コンドン監督は英誌「アティテュード」のインタビューで、作品の中で悪役ガストンにつきまとう子分として登場するル・フウのキャラクターについて、同性愛の場面が中心になると述べ、「ある時はガストンになりたいと思い、またある時はガストンにキスしたいと思う」と形容していた。
ロシア政府は2013年、「同性愛の宣伝」を未成年の間に流布させることを禁じた法律を制定した。同法では同性愛を「非伝統的性的関係」と形容し、未成年の耳に入る場所で同性愛者の権利や同性愛関係について公に発言することを禁止している。ミロノフ議員はこの法案の旗振り役だった。
美女と野獣を巡っては米アラバマ州でも、北東部ヘナガーにある映画館が、同性愛の内容が含まれるという理由で上映しないとフェイスブックで宣言して物議をかもしていた。