クリムトの「農場の庭」、67億円で落札 英
(CNN) オーストリアの画家グスタフ・クリムトの名画「農場の庭」が英ロンドンで開かれたオークションに出品され、クリムトの風景画としては過去最高となる4800万ポンド(約67億円)で落札された。欧州で開かれた芸術作品のオークションでは史上3番目の落札価格となる。
農場の庭は1907年の作品で、ケシやヒナギクなどの花が咲き乱れる庭園を描いている。1994年以来、個人が所蔵し、直近では2016年にロンドンの展示会に出展されていた。
過去にロンドンのオークションで同作品を上回る落札価格が付いたのは、2010年に出品されたアルベルト・ジャコメッティの「歩く男」(6500万ポンド)と、02年に出品されたピーテル・パウル・ルーベンスの「幼児虐殺」(4950万ドル)のみだった。
1日に開かれたサザビーズのオークションではほかにも印象派の絵画やモダンアート作品が出品され、パブロ・ピカソが自宅の窓辺で育つトマトの木を描いた作品「Plant de Tomates」(1944年)は1700万ポンドの値が付いた。この作品は、ナチス・ドイツがフランスを占領した時代のかすかな希望と抵抗を表している。
この日のオークションでピカソの絵画は合計8枚が総額5470万ポンドで落札された。このうち3枚は1000万ポンドを上回った。
落札価格の総額は1億9470万ポンドに達し、前年に比べて108%増加。世界の美術品市場の復調を印象付けている。