映画「ピーターラビット」、食物アレルギーの扱いに非難集中
(CNN) 英国の児童書を実写化した映画「ピーターラビット」が公開早々、食物アレルギーの子を持つ親や支援団体から非難を浴びている。
問題視されているのは主人公のウサギ、ピーターとその仲間が宿敵のマクレガー氏と繰り広げる闘いのエピソード。同氏がキイチゴの一種、ブラックベリーのアレルギーだからと、ピーターたちがブラックベリーを投げ付ける場面がある。
マクレガー氏は苦しみ出すが、自分で治療薬を注射してようやく助かるというストーリーだ。
これに対し、重いアレルギーの子を持つ親たちがツイッターで次々と懸念を示し始めた。一部の親が同作品のボイコットまで呼び掛ける事態を受け、製作会社のソニー・ピクチャーズは「配慮が足りなかった」と謝罪する声明を出した。
専門家は「これほど深刻な問題を笑い話にするのは無責任で危険。食物アレルギーは死を招くこともある」と指摘する。アレルギーの子どもが学校で脅されたり、身体的な被害を受けたりするいじめの例も報告されている。
米国の「ぜん息およびアレルギー基金」は最初に声を上げた団体の一つ。公開初日の9日からフェイスブックに親たちへの警告を投稿し、10日には製作者への書簡で、食物アレルギーを「注意を引くための仮病」のように扱っているふしがあると抗議した。
オーストラリアを拠点にアレルギーの問題に取り組む団体も10日から、インターネット上でソニーに謝罪を求める署名運動を展開していた。