規制強化で逆風、ヒップホップは中国で生き残れるか
最新の若者文化をお金に結びつけようと狙い、セレブや企業、広告がシーンを埋め尽くした。リアリティー番組の「ラップ・オブ・チャイナ」は昨年6月から9月にかけて27億回視聴されている。
「ゴールドラッシュは本物だった」。こう語るのは米デトロイト出身で中国各地にヒップホップバトルの場を設けてきたデーナ・バートン氏だ。
中国の一流ラッパーはかつて、一夜で300ドル相当を稼ぐのに苦労していた。それがラップ・オブ・チャイナの登場後は3万ドル、ときには30万ドルの出演料を手にするようになったという。
そしてお金とともにラップの負の側面である、女性や薬物についての低俗な歌詞を美化する動きも現れた。観測筋からは一線を越えたとの見方も出ている。
前出のジャーナリストの男性は「中国で薬物について語ることは、米国で白人至上主義に言及するようなものだ。触れてはいけない話題だ」と指摘した。
ラジオ司会者の孔令奇氏は、政治のような主題を注意深く避けてきたという。最近の番組では、中国南部出身のグループ、C-BlockのDamnshine氏とのインタビューを扱った。