規制強化で逆風、ヒップホップは中国で生き残れるか
同氏は米国のヒップホップについて、「良いバイブを広めること」ではなく、怒りをぶちまけることに焦点が当たっていると指摘。中国のラッパーはジャンルを模倣する中で行き過ぎたとの見方を示す。
また、ラッパーは「ディスる」こと自体を目的にするのではなく、聴衆に理性や分別に訴えるべきだとも主張。中国は米国ではないのだから文化やルールも異なっており、ヒップホップもそれに応じた対応を取る必要があると提言する。
こうした方向性から、愛国的なラッパーも増えている。中国の検閲当局ですら支持に回るような歌詞を用いているのだ。
バートン氏のような根強い支持者にとって、今年の規制強化は不満の残る内容だ。ただ、音楽シーンが変わり、ブランドや企業が撤退しても、中国のヒップホップが終わりを迎えるわけではない。
「ヒップホップはこの世代を代表する声になる。ムーブメントは中国に深く根ざしており、しぶとく命脈を保ってきた歴史がある」