NFLオーナー、選手に国歌斉唱時の起立を義務付け
アトランタ(CNN) 米プロフットボールリーグ(NFL)のコミッショナーを務めるロジャー・グッデル氏は23日、アトランタで会見を開き、今シーズンのリーグ戦について、試合前の国歌斉唱時には各チームの選手・スタッフに起立を義務付ける方針を明らかにした。NFLのオーナーらによる投票で決定したという。
NFLでは2016年から、一部選手の間で国歌斉唱時に片膝をついたままでいるなど起立を拒否する動きが広がっていた。有色人種に向けられる警察などの弾圧に抗議する意図があるとされている。
グッデル氏は、選手やスタッフが国歌斉唱時に起立せず、国旗と国歌に敬意を示さない場合は、当該のチームにリーグから罰金を科すと説明した。一方で起立を義務付ける方針に従いたくない選手に対しては、国歌が流れている間ロッカールームにとどまることもできるとした。
各チームには方針に従わない所属選手やスタッフへの対応について、それぞれ独自の規定を設けることが認められている。
グッデル氏は「国歌には敬意を払ってもらいたい」「慎重に配慮したうえで、選手には選択の自由を保証する。しかしリーグとしては、国歌斉唱は重要な時間であり気持ちを集中するべき時なのだと考えている」と述べた。
グッデル氏は今回の方針がNFLのオーナーらによる満場一致の投票で決まったとしているが、サンフランシスコ49ersのジェッド・ヨーク最高経営責任者(CEO)は、投票を棄権したことを明らかにした。ほかにも棄権したオーナーがいたかどうかは明言しなかった。
一方、NFL選手会は、今回の方針について検証し、「団体協約と矛盾する点があれば異議を申し立てる」考えを表明した。