1面に黒塗りの記事、主要メディアが結束して報道の自由を訴え 豪
ニューヨーク(CNN Business) 普段は熾烈なライバル関係にあるオーストラリアの有力紙や放送局が報道の自由を訴えるために結束し、20日から21日にかけて1面を黒塗りにしたり、ゴールデンタイムの放送枠を割り当てたりするなどしてキャンペーンを展開した。
オーストラリアのABC放送はこのキャンペーンの狙いについて、「厳格な国家治安法に基づく報道規制にスポットライトを浴びせる」と説明している。
報道各社は「Right to Know(知る権利)」の名の下に結束し、読者や視聴者にも行動を促した。
ニューズ・コープ・オーストラリア・ネットワーク傘下のヘラルド・サン紙は「政府があなた方から真実を遠ざける時、彼らは何を隠しているのか」と問いかける論説を掲載した。
同紙によれば、「ニューズ・コープのアニカ・スメサースト記者(皮肉にも、政府が国民全員を監視する新たな権限について検討していると報じたことが原因で刑事訴追されるかもしれない)に対する捜索と、オーストラリアの特殊部隊がアフガニスタンで男性や子どもたちを殺害した事案について報じた後、ABCの本社が捜索を受けたことで、容認できる限界を越えた」
オーストラリアでは6月に行われたこの2件の捜索をきっかけとして、報道の自由に対する危機感が強まり、国家治安法に反対する声が高まった。
ABCによると、20日夜には放送各社がゴールデンタイムの番組を使ってキャンペーンを展開。21日には有力紙が1面の記事を黒塗りにしてトップニュースの内容をかき消す象徴的な行動を行った。
オーストラリアン・ビジネス・レビュー紙は「報道の自由への規制強化に対抗する前例のない抗議行動」と位置付ける。
ソーシャルメディアには、1面が黒塗りにされた十数紙の写真が投稿されている。