生の豚肉持ち込みのベトナム人観光客を強制送還、豪州
(CNN) オーストラリアの入管当局は19日までに、違法な持ち込みが禁止されている大量の生の豚肉など10キロ相当を手荷物の中に隠していたとしてベトナム人の女性観光客(45)の入国を認めず、強制送還の処分を科したと発表した。
同国が定める生物の安全保障関連法違反に問われ、入国ビザが撤回され、強制送還された初めての観光客としている。ただ、3年内に豪州入国を望んだ場合、認められる予定。
押収されたのは豚肉4.5キロの他、果物、イカ、卵、パテやニンニクなど。国際航空路線の乗客に許される手荷物の重量の中央値は23.5キロだが、この女性の場合、約半分の重さがこれらの食品となっていた。
豚肉4.5キロや卵などを持ち込もうとしていた/Australia Border Force
豪州のマッケンジー農業相は記者団に、女性は入管当局者らの関心を招き、生物の安全保障関連法に絡む聴取を受け、未申告での豚肉持ち込みなどが発覚したと説明した。
豪州は過去に同国の独自の環境生態系に有害となる害虫や疾病で大きな被害を受けたことがあり、観光客が持参出来る物については厳しく規制している。
最近はアフリカ豚コレラの感染が世界の多くの地域で拡大しており、中国では1億匹以上の豚の処分を強いられている。中国は世界最大の豚肉市場を抱え、大きな打撃を受けている。
同農業相によると、アフリカ豚コレラの対策も強化しており、違法な豚肉関連製品の押収量は毎週100キロ相当としている。航空路線の乗客経由では昨年11月5日から今年8月31日までの間に27トンを超える豚肉を没収したという。