紛争取材重ねた記者退任、PTSD発症で 英BBC
ロンドン(CNN Business) 英BBC放送は24日、アフリカ担当のファーガル・キーン編集長が職務を退くと発表した。世界各地の紛争取材が原因の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症を理由としている。
BBCの取材部門の責任者は職員宛てのメールで、同編集長は過去数年、PTSDに個人的に対応してきたと指摘した。
キーン氏は1989年、北アイルランド担当特派員としてBBCに入社。翌年にはアフリカ大陸南部担当に配属され、アパルトヘイト(人種隔離)政策が終わりつつあった南アフリカや部族抗争絡みで数十万人規模の虐殺が起きたルワンダ情勢などの取材に当たった。
BBCはキーン氏に新たな職務の申し出を検討しているとした。
PTSDは殺人、自然災害、性的暴行や暴力事件などに遭遇もしくは巻き込まれたりして強い精神的衝撃を被った人々に発症する。目撃した事件などの精神的な追体験に襲われることもある。