実写映画「ムーラン」、新型肺炎が中国市場での興収に影響か
ニューヨーク(CNN Business) 米ディズニーが近く公開を目指している実写映画「ムーラン」だが、新型コロナウイルスの流行が世界2位の映画市場である中国での興行成績に打撃を与える可能性が出てきている。
ディズニーは、中国人の女性兵士が主人公で、世界的にヒットを飛ばしたアニメ映画「ムーラン」(1998年公開)をリメイクした。北米市場では3月27日の公開が予定されている。
製作費は2億ドル(約220億円)で、中国でのヒットが見込まれている。しかし、中国では新型コロナウイルスが流行。中国全土で、映画館を含む各種ビジネスが閉鎖に追い込まれている。ディズニーが上海と香港で運営していたテーマパークは新型コロナウイルスの拡大を受けて一時閉鎖となった。
ムーランの中国での公開日は今のところ、不明。中国では映画会社ではなく政府が公開日を決めるためで、公開日が明らかになるのは公開から数週間前ということが多い。ディズニーのアイガー最高経営責任者(CEO)は先ごろ、米メディアに対し、中国で公開されることは決まったが、いつになるかはまだわかっていないと述べていた。
新型コロナウイルスの流行は中国で映画の公開を考えている映画会社にとって良くないニュースだが、特にディズニーにとっては厳しい状況かもしれない。調査会社イグジビター・リレーションズのアナリストは、ムーランについて、中国市場向けに作られた作品と指摘する。
ボックスオフィス・ドット・コムのアナリストは、ムーランが中国の言い伝えに大きく根差した作品だと指摘。ディズニーの世界的な公開戦略にとって中国は大きな位置を占めるという。同アナリストは、通常の状況なら、中国は容易にムーランにとっての最大の市場となるだろうと述べた。