コロナ下のコンサートは駐車場で? 歓声の替わりにクラクション
(CNN) 新型コロナウイルスが世界中で感染を広げるなか、車の中で人と人との距離を保てるドライブイン式のコンサートの実施が欧米で広がっている。新型コロナウイルスの感染拡大によって、大規模な集会は禁止されている。
歌手のキース・アーバンとDJのD・ナイスはドライブイン式のイベントを最初に行った主要なアーティストでもある。アーバンは5月、テネシー州でコンサートを開催し、医療施設で働く人たちに謝意を示した。
D・ナイスもマイアミでドライブイン式のコンサートを開催し、前線で働く人たちを慰労した。イベントの収益は子ども向けの基金に送られた。
D・ナイスはCNNの取材に対し、ドライブイン式のコンサートが進むべき方向だとの見方を示した。コンサートの参加者は車の中だが、D・ナイスは聴衆とつながるための創造的な方法を見出したと語った。
D・ナイスは「クラブやイベントでパフォーマンスする場合は普通、人々からのエネルギーを感じる」とし、ドライブイン式のコンサートの場合はクラクションを鳴らせばいいと指摘した。コールアンドレスポンスのように、「気持ちが盛り上がったらクラクションを鳴らせ」と呼び掛けるという。
D・ナイスのイベントには緊急対応要員も参加した/John Parra/Getty Images North America/Getty Images
コンサートを開催する側も、人と人との距離を保ちつつ、観衆とつながるための新しい方法を見出している。
D・ナイスのマイアミでのコンサートに関与したジミー・バーガスによれば、車と車は20フィート(約6メートル)離したほか、イベントは1時間にして、車内のラジオでも音楽が聴けるようにしたという。短時間にすることでトイレに立つといったことが避けられるという。また、入場の際にはマスクも配布した。スクリーンで車内にとどまるよう呼び掛けも行ったという。
ソニー傘下のディスラプター・レコードのアダム・アルパート最高経営責任者(CEO)は「ライブコンサートに対する需要は明らかに存在する。人々は生の音楽がなくてさみしく思っている」と指摘。また、アーティスト側もツアーをしたがっていると語った。「安全になるまで待たなければならない」としつつ、アーティストやプロモーターらも、不安定な時代にライブミュージックを安全に届けられるよう新しい方策を探していると述べた。