中国、BBCの国内放送を停止 自国メディアの英国内免許取り消しから1週間
アトランタ(CNN Business) 中国の国家ラジオテレビ総局(NRTA)は11日、英BBCワールドニュースの中国国内での放送を禁止すると発表した。
1週間前には英メディア規制当局のオフコムが中国国営の英語放送「中国国際テレビ(CGTN)」の放送免許を取り消すと明らかにしていた。今回のNRTAの発表はこれに対する報復とみられる。
声明の中でNRTAは、BBCワールドニュースの中国に関する報道が「ジャーナリズムにおける真実性および公平性の原則を侵害している」と訴えた。
中国外務省は4日、同国による新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応に関するBBCの番組内容を批判。報道は「フェイクニュース」だとの認識を示した。
BBCの報道担当者はCNN Businessへの声明で「中国当局がこのような措置を決定したことに失望している。BBCは世界で最も信頼された国際ニュース放送局であり、世界中から寄せられる情報を公正公平に伝える。反感を恐れたり情実にとらわれたりはしない」と強調した。
中国政府はまた、BBCが新疆ウイグル自治区にある「再教育」のための収容所を報道することに対して、繰り返しいら立ちを表明している。BBCは収容所で女性たちが組織的なレイプ、性的虐待、拷問の被害に遭っていると主張する。これに対し中国政府は、BBCが「報道で騒ぎ立てることで、中国のウイグル政策についての明らかな虚偽を拡散している」と非難している。
BBCは声明を出し、自社の報道を擁護。中国で起きていることに関して、正確かつ公平に伝えているとの認識を強調した。
BBCは中国本土や国内の各世帯での放送を許可されていない。これまではBBCワールドニュースが一部のホテルなどに限って視聴できる状況だった。
英国のラーブ外相は声明を出し、中国側の今回の決定を「メディアの自由に対する抑圧であり受け入れられない」と非難。「中国が行うメディア及びインターネットの自由に対する規制は、世界で最も厳しい部類に属する。今回の新たな措置は、世界から見た中国の評価をおとしめることにしかならないだろう」と語った。