H・クリントン氏が政治スリラーを執筆、主人公は国務長官
ニューヨーク(CNN Business) 米国のヒラリー・クリントン元国務長官が米国の政治の混迷を舞台にした政治スリラー小説を長年の友人でもあるカナダ人のミステリー作家と共同執筆していることがこのほどわかった。
出版元のサイモン&シュスターとセント・マーチンズ・プレスが報道発表文で明らかにした。刊行は今年10月12日。
小説の原題は「State of Terror」で、一連のテロ攻撃に対処する国務長官の奮闘ぶりを描くという。
この著名なカナダ人作家はルイーズ・ペニー氏で、オバマ元大統領の下で国務長官を務めたクリントン氏の体験と心のおののきなどを盛り込むと説明。「彼女とは国務長官時代について話し合った」とし、最悪の悪夢は何だったのかなども尋ねたとも明かした。
「その答えが今度の小説だ」とも述べた。
出版元が発表した小説の概要によると、主人公の国務長官は米国の指導力が4年の間に世界で失墜した後に誕生した政治的なライバルでもあった大統領の政権に合流した筋書きとなっている。相次ぐテロ攻撃が起きるなど、危険なまでに不安定な国政運営を見せる米政府につけ込もうとする謀議に立ち向かう国務長官の姿が書き込まれるという。
トランプ前政権の4年間を揶揄(やゆ)したような展開ともなっている。
クリントン氏はこれまで7冊の著作を出版。夫のビル・クリントン元大統領も2018年、作家ジェームズ・パタースン氏との共著で、政治スリラー小説「The President is Missing」を発表したことがある。