米ケンタッキーダービーに影、UAE首長馬の出走停止求める声 娘の安否への懸念から
(CNN) 現地時間1日発走の米ケンタッキーダービーをめぐり、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長の娘ラティファ王女の安否への懸念から、父親のムハンマド首長の馬の出走停止を求める声が出ている。首長の所有馬「エッセンシャルクオリティー」は今年のレースの有力候補。
米ケンタッキー州競馬委員会(KHRC)は4月29日の声明で、人権派弁護士のグループと地元ルイビル大学の学生からムハンマド首長に対する苦情を受理したと説明。首長がラティファ王女の生存を証明できるまで、州内のレースへの参加停止処分とするよう求める内容だという。
KHRCの責任者によると、苦情を受理したのは4月28日。声明で「弁護士と協議の末、州の規則を踏まえ、KHRCの規則違反には当たらないと判断した」と述べ、ムハンマド首長に対する処分は行わない考えを示した。
苦情では首長の人権侵害疑惑に触れ、KHRCの規範に違反していると主張していた。
ムハンマド首長が所有するゴドルフィン厩舎(きゅうしゃ)は現時点でCNNのコメント要請に応じていない。
ラティファ王女は2018年3月に国外逃亡を試みて以来、公の場に姿を現していない。世界の人権活動家からは、ムハンマド首長が王女を監禁しているとの指摘が出ている。
これについて英高等裁判所は2020年、首長が娘2人の拉致を企て、UAEに強制的に連れ戻したとする判断を示した。首長は当時の声明で、家族のプライバシーが尊重されることを望むと述べていた。