英団体、東京五輪の高温リスクに警鐘 選手からも「危険領域」の声
一部の競技に関しては高温への懸念から、開催地を東京から変更。マラソンは東京より800キロ北にありはるかに低い気温になるとみられる札幌で行われる予定だ。
研究ではトライアスロン、マラソン、テニス、ボートといった競技について、高温の状況がどのような悪影響を及ぼし得るかを分析している。
そのうえで、高温の中競技する際の対処法をアスリートに助言しつつ、気候危機がどれほど将来のスポーツイベントを阻害し得る問題なのかについても警鐘を鳴らした。
英ポーツマス大学で人体と応用生理学の研究に携わるマイク・ティプトン教授は「スポーツの環境において、高温か多湿、もしくはその両方が重なる状況になれば、観客や審判員、選手の活動と健康にリスクをもたらす可能性がある。具体的には日焼けから認識機能障害、熱性疲労、熱中症で倒れるといった被害が想定される。すべてが1つのスポーツイベントで起こり得るものであり、関わる全員に悪影響が及びかねない」と語った。
報告書について国際オリンピック委員会(IOC)にコメントを求めたが、現時点で返答はない。
ただIOCは先ごろ、東京五輪の全参加者に向け高温対策の概要を公表。その中には会場を可能な限り冷涼に保つ準備や充分な水分補給機会の確保、気象予報の提供、熱中症対策に関する情報発信などを盛り込んでいる。