リンゴ日報の強制捜査、メディア業界に危機感　香港の記者が証言

ステルターは番組で、リンゴ日報の黎智英（ジミー・ライ）会長の補佐役を務めるマーク・サイモン氏にも話を聞いた。サイモン氏は現在、香港当局に指名手配されている。

「もし私が香港にいたら、公の場に出てテレビ出演するのは不可能だろう」とサイモン氏。一方、ライ会長は刑務所で服役中だ。

サイモン氏は、編集室を運営する上での問題は資金がないことではなく、保安局長や検察が記者やスタッフ、販売業者への支払いを許可しないことにあると説明。「彼らは我々の口座を凍結した」と指摘する。

ＷＳＪのユー氏はステルターに対し「多くの地元メディアグループは、今後は記者の取材が難しさを増すだろうとも言っている。警察は今や、場合によっては、裁判所令状を通じて記者のファイルや端末を押収できるからだ」と語り、押収は数日前に初めて実施されたとも言及。「政府に批判的な人などはメディアに話すのを怖がるようになる可能性がある」「幅広い範囲に影響が出る」と懸念を示している。