カナダのロックスター、45年前に盗まれたギター発見 日本人が演奏していた
ロングさんから連絡を受けたバックマンさんは、「この男性が弾いていたのは私のギターだった。木目を見れば分かる。衝撃だった。ショベルで顔面を殴られたようだった」と振り返る。
バックマンさんの義理の娘のココさんが日本出身だったことから、TAKESHIさんとのビデオ会議が実現した。TAKESHIさんがカメラごしに見せた愛用のギターとの数十年ぶりの再会に、バックマンさんは涙ぐんだ。ギターは76年に盗まれた当時のままの姿だった。
ギターが盗まれたのはTAKESHIさんが生まれる前のこと。TAKESHIさんは、バックマンさんにとってこのギターがどれほど重要なものかがわかったので、返還すると申し出た。バックマンさんは、同じようなグレッチのギターが見つかればTAKESHIさんのものと交換したいと伝えた。
バックマンさんはこの条件にかなうギターを米オハイオ州のギター店で見つけた。シリアル番号から判断すると、2本のギターは恐らく同じ週に製造されていた。
TAKESHIさんはココさんの翻訳を通じて談話を発表し、「東京の音楽店で初めて奏でた時、私に語りかけてきたこのギターは、これまでのどのギターとも違っていた。これは運命だと感じ、すぐに衝動買いした」と説明。「半世紀近くも探し続けたロックスターのバックマンさんにこれをお返しできるのが自分だったことを光栄に感じ、誇りに思う」とコメントした。
バックマンさんは、新型コロナの渡航制限が緩和されたら日本を訪れてTAKESHIさんに会い、ギターを交換したいと話している。
日本ではギターの発見につながった動画が撮影されたナイトクラブで、TAKESHIさんとのジャムセッションを実現したい意向。発見に至るまでの経緯を記録した映像を集めてドキュメンタリーを制作し、息子と一緒にリリース予定の新アルバムには、なくしたギターについての楽曲を収録する予定だ。
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訂正:本記事で当初「TAKESHIさんは、多分自分はこのギターの面倒を見るために生まれてきたのかもしれないと言い、同じようなギターと引き換えに返還すると申し出た。」と記述した部分について、CNN.comの原文が修正されたことを受けて、「TAKESHIさんは、バックマンさんにとってこのギターがどれほど重要なものかがわかったので、返還すると申し出た。バックマンさんは、同じようなグレッチのギターが見つかればTAKESHIさんのものと交換したいと伝えた。」に訂正して、おわびします。