FIFA、練習施設での出稼ぎ労働者の死亡を確認 カタールW杯
(CNN) 国際サッカー連盟(FIFA)は8日、サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会のグループステージの期間中、サウジアラビア代表が練習拠点に使うリゾートで出稼ぎ労働者1人が死亡したことを確認した。
FIFAの広報担当はCNNに声明で、「FIFAはこの悲劇に深い深しみを覚えている。我々の思いや弔意を労働者の遺族にささげる」と述べた。
さらに「FIFAはこの件を認識してすぐ、より詳しい情報を求めて地元当局に問い合わせた」とした上で、関連する手続きの完了後にコメントする方針を明らかにした。
この労働者が何をしていたのかや死亡時の状況は不明。
現場の「シーライン・ビーチリゾート」はFIFAによってサウジ代表の練習拠点に指定されていた。サウジ代表はグループステージで敗退した。
大会の運営などを担うカタールの最高委員会はCNNに寄せた声明で、本件は同委員会の管轄外の場所で発生し、死亡者は同委員会の権限が及ばない請負労働者であることから、関連する政府当局が対応していると述べた。
カタール政府の当局者はCNNに対し、当局が本件を調査中だと確認。調査の結果、安全手順が順守されていなかったとの結論が出れば、同社は法的措置や厳しい制裁金を科されるだろうとの見方を示した。
また大会組織委員会のナセル・ハテル最高経営責任者(CEO)は8日、出稼ぎ労働者の新たな死について聞かれ、ロイター通信の記者に「死は人生の自然な一部だ」と発言した。「いまはW杯の最中だ。我々の大会は成功している。これがあなたのいま話したいことなのか」とも述べた。
大会組織委員会のタワディ事務総長は先月、英トークTVとのインタビューで、出稼ぎ労働者400~500人が大会関連のプロジェクトのために死亡したと説明していた。これはカタール当局が以前に言及していた数字よりも多かった。