米アカデミー賞、「エブエブ」が作品賞など7冠
(CNN) 第95回米アカデミー賞の授賞式が12日に行われ、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(エブエブ)」が作品賞など7冠を獲得して話題をさらった。ネットフリックスが配信サービスの選択肢として依然として存在感を示しているが、劇場公開作品の復活を印象付けた年となった。
昨年のウィル・スミスとクリス・ロックとの事件を受けて、アカデミー賞がドラマのない授賞式を望んでいたのなら、緊急時のために雇った危機管理チームを呼ぶ必要がなかったことに安堵(あんど)することができただろう。
その代わりに、授賞式には心温まる場面が数多く見られた。
エブエブでは、ジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を、キー・ホイ・クァンが助演男優賞を受賞した。いずれも受賞のスピーチでは感情を高ぶらせ、涙も見せた。クァンは今回の受賞を「アメリカンドリーム」と呼び、カーティスは「オスカーを受賞した」と繰り返し、亡くなった両親を含む全ての人に謝意を示した。
エブエブはそのほかにも、脚本賞や監督賞など7部門で受賞。7冠は2014年の「ゼロ・グラビティ」以来、最多の受賞。ゼロ・グラビティも7部門で受賞していた。
エブエブは劇場で予想外のヒットとなり、世界興収は1億ドルを超えた。
「ザ・ホエール」で主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーも涙を見せた。ザ・ホエールはメイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞した。主演女優賞はエブエブでミシェル・ヨーが獲得してアジア系女性として歴史を作った。
ルース・カーターは「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」で衣装デザイン賞を獲得。アカデミー賞の2度の受賞は黒人女性として初。カーターは空を見上げ、先ごろ101歳で亡くなった母親の面倒を見てくれるよう故チャドウィック・ボーズマンに呼び掛けた。