米ワーナー・ブラザース本社が謝罪 原爆とバービーの合成画像に好意、日本で批判噴出

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映画「バービー」(左)と「オッペンハイマー」(右)より/Warner Bros Pictures/Universal Pictures

映画「バービー」(左)と「オッペンハイマー」(右)より/Warner Bros Pictures/Universal Pictures

(CNN) 米映画配給会社ワーナー・ブラザースが映画「バービー」のツイッター公式アカウントで原爆とバービーを合成した画像に好意的な反応を示したことに対し、日本で批判が噴出した。これを受けてワーナー本社は1日、謝罪の声明を発表した。

批判の的になったのは、米国の原爆開発競争を描いたユニバーサル・ピクチャーズの映画「オッペンハイマー」と、バービー映画のキャラクターを合成した画像に対する公式アカウントの反応。ワーナー・ブラザース日本法人は「配慮に欠ける」としてこの反応を強く批判。米本社に対してしかるべき対応を求めたと説明していた。子会社が親会社に対して謝罪を求めるのは極めて異例。

バービーとオッペンハイマーは7月下旬に米国などで同時公開され、ファンがこの2作品を合成した「Barbenheimer(バーベンハイマー)」の画像を次々とSNSに投稿している。

そうした非公式の画像に反応したバービーの公式アカウントの投稿は、後に削除された。しかしSNSのX(旧ツイッター)に掲載されたスクリーンショットによれば、バービーの主演女優マーゴット・ロビーの頭にキノコ雲を重ねた画像や、燃え盛る炎を背景として楽しそうなバービーがオッペンハイマー主演俳優キリアン・マーフィーの肩に乗る画像に対し、バービーの公式アカウントが好意的な反応を示していた。

こうした投稿に対し、広島と長崎に対する米空軍の原爆投下を矮小(わいしょう)化しているとして批判が高まった。

ワーナー・ブラザース日本法人は7月31日、バーベンハイマーのムーブメントや活動は公式なものではないとした上で、「アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾」なものと考えているとコメント。「この配慮に欠けた一連の反応について、不快な思いをされた方々には、お詫び申し上げます」とした。

ワーナー・ブラザース・フィルム・グループは8月1日、CNNに寄せた声明で「無神経なソーシャルメディアの投稿を遺憾に思います。スタジオとして心から謝罪します」と表明した。

日本では両作品の合成を批判するバーベンハイマー対抗のハッシュタグ「NoBarbenheimer」がSNSで注目を集めている。あるユーザーは「アメリカではオフィシャルで9.11やナチスをネタにすることは絶対にない。でも原爆の事ははネタに出来るんだな。やっぱり根底にアジア軽視があるように思う。悲しすぎて言葉にならない。残念だ」と書き込んだ。

バービー公式アカウントの投稿を見て「がっかりしました」というユーザーは、バービー映画は「見ません」とツイートしている。

東京在住の米国人学識者ジェフリー・ホール氏は、「#NoBarbenheimer論争は、核兵器をめぐる日本と米国の認識のギャップを思い起こさせる。日本人は原爆の恐ろしさを学びながら育ち、毎年の追悼式典は全国ニュースとして扱われる」「日本では78年たっても、こうした出来事は決して忘れられていない」と指摘した。

映画バービーは日本で8月11日に公開予定。一方、ロイター通信によると、日本のオッペンハイマー配給元となる東宝東和はまだ公開予定を発表していない。

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