児童レイプの前科があるビーチバレー選手、パリ五輪に出場 オランダ
(CNN) 10年前に児童をレイプした罪で服役したオランダのビーチバレー選手が、今年のパリオリンピックにオランダ代表として出場することが分かった。
英メディアによると、スティーブン・ファン・デ・ベルデ選手(29)は2014年、12歳の少女をレイプした罪で禁錮4年の判決を受け、17年に釈放された。
オランダバレーボール連盟のミシェル・エベレート総裁は声明で、ファン・デ・ベルデ選手の過去は把握しているとし、同選手が競技に復帰するにあたり、本人だけでなくオランダオリンピック委員会(NOC)や国際バレーボール連盟(FIVB)と何度も話し合ったと述べた。同選手は17年に競技に復帰したという。
エベレート総裁は「彼は模範的なプロであり、人間であることを証明しており、復帰以来彼を疑う理由は何もなかった」と述べた。
ファン・デ・ベルデ選手はオランダバレーボール連盟が発表した声明の中で、チャンスに感謝しているとする一方で、自身が代表として出場することが国際メディアの注目を集める可能性があることは理解していると述べた。
オランダバレーボール連盟とオランダNOC、FIVBは専門家に相談したうえで、ベルデ選手の再犯の可能性は「ゼロ」だと判断しているという。
オランダNOCでは特にトップレベルのアスリートが有罪判決後に復帰できる条件を定めたガイドラインを設けており、ベルデ選手はその規定に基づいて復帰したとしている。
「ファン・デ・ベルデは現在、オリンピックの資格要件をすべて満たしており、チームの一員だ」(オランダNOC)
国際オリンピック委員会はCNNに対し、選手の指名はそれぞれの国内オリンピック委員会の単独の責任であるため、詳細についてはオランダNOCに問い合わせてほしいと述べた。
非営利団体である米国セーフスポーツセンターの最高経営責任者(CEO)はCNNに対し、未成年者への性的暴行で有罪判決を受けた人物が今年のオリンピックに参加する可能性があることを憂慮していると述べた。
CEOは「世界中のチームがパリに集結し、その多くに未成年の選手が含まれる中、これはメダルや賞金が選手の安全よりも重要だという危険なメッセージを送ることになる。スポーツへの参加は権利ではなく特権だ」と警鐘を鳴らした。