自宅で遺体発見の米俳優ジーン・ハックマンさん、死後9日経過か 保安官
(CNN) 米俳優ジーン・ハックマンさん(95)と妻ベッツィ・アラカワさんがニューメキシコ州の自宅で遺体で発見された問題で、ペースメーカーのデータから、ハックマンさんが遺体発見の9日前に死亡していた可能性が高いことが分かった。当局が明らかにした。
サンタフェ郡の保安官は28日の記者会見で、ペースメーカーにハックマンさんの「最後の出来事」が記録されたのは2月17日だと説明。「病理学者によると、それが彼の人生最後の日だったとみるのがごく妥当だと思う」と述べた。
ハックマンさんと妻は今週、飼い犬とともに遺体で発見された。当局は徹底調査が必要な「不審な」状況との見方を示している。
当局が調査を進める中、夫婦の自宅からいくつかの物品が押収された。
地元裁判所で28日に公開された文書のリストによると、緑の携帯電話2台に加え、甲状腺薬、高血圧や胸痛の治療薬ジルチアゼム、タイレノールの三つの薬が押収された。
また、医療診断サービス「MyQuest」の記録や、2025年の毎月の予定表も保安官代理によって押収されたという。
ハックマンさん夫妻の死因は不明。暫定の検視結果や当局者によると、外傷は一切なく、事件性を示す現時点の兆候もなかった。一酸化炭素やガス漏れの兆候も現時点ではないという。
保安官は夫婦ともに一酸化炭素の検査で陰性だったことから、死因としてはおそらく排除されるとの見方を示した。
保安官事務所によると、夫婦の遺体は自宅の別々の部屋で発見され、アラカワさんのそばには錠剤が散乱していた。保安官は28日朝の米NBCテレビの番組で、夫婦が同時に亡くなったかどうかは現時点で不明だが、死後しばらく時間が経ってから発見された可能性が高いとコメントした。
保安官は「数日、あるいは最大で数週間経っていた可能性もある」と指摘。専門家はCNNの取材に、正確な時期の絞り込みは難航する可能性があるとの見方を示した。
ハックマンさんは「フレンチ・コネクション」「勝利への旅立ち」「許されざる者」「ザ・ファーム 法律事務所」などの映画への出演で知られ、アカデミー賞受賞歴がある。ハックマンより30歳年下のアラカワさんはクラシック音楽のピアニストだった。