アップル地図で人命に危険も、警察が使用せぬよう勧告 オーストラリア
(CNN) 米アップルの地図アプリを頼りにオーストラリア南東部の町を目指した結果、人里離れた国立公園に迷いむ人が続出しているという。警察は「人命を脅かしかねない」問題と判断し、同アプリを使わないよう呼びかけた。
同国ビクトリア州ミルデュラの警察によると、アップルの地図アプリ「アップル・マップス」では、ミルデュラの町が、本来の場所から70キロ以上南西の内陸部にあるマリーサンセット国立公園の中にあるように表示される。地図を信じて車で国立公園に迷い込み、警察に救出される人が相次いでいるという。
公園内には水の飲める場所がなく、夏を迎えた現在の最高気温はセ氏46度に達することもある。救出された人の中には、水も食料もないまま24時間もさまよい続け、携帯電話の電波が届く場所を探して地理的に危険な場所を長距離歩き回った人もいるという。
ミルデュラを目指す人の安全を確保するため、警察はアップルに対して問題を即座に修正するよう求めたといい、「問題が解決されるまで、ミルデュラあるいはビクトリア州内の場所に出かける場合、ほかの地図を使ってほしい」と勧告した。アップルと競合するグーグルの地図アプリなどでは、ミルデュラの位置は正確に表示される。
アップル広報はこの問題についてのコメントは避ける一方、「地図の修正に努めている」と話した。
アップルは9月に携帯端末向けのOS新版「iOS 6」を公開した時点で、地図アプリを自社のアプリに入れ替えた。しかし情報の不正確さをめぐってユーザーなどから苦情が殺到し、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が謝罪していた。