告発サイトへ情報提供の米兵に禁錮35年 大統領に恩赦求め
メリーランド州フォートミード(CNN) 告発サイトの「ウィキリークス」に米軍などの機密情報を提供したとしてスパイ防止法違反などの罪に問われた米陸軍上等兵ブラッドリー・マニング被告(25)に対し、メリーランド州フォートミードの軍事法廷は21日、禁錮35年の判決を言い渡した。
マニング被告はスパイ防止法違反など22件の罪で起訴され、検察側は禁錮60年を求刑していた。すべての罪状で有罪になった場合は90年以上の禁錮を言い渡される可能性もあったが、最も罪の重い敵幇助(ほうじょ)罪など2件については無罪となった。
マニング被告は量刑言い渡しの間、ほとんど表情を変えなかった。その後弁護士を通じ、イラクとアフガニスタンの戦争で犯された不正を暴くため、「国を愛する気持ちから、義務感に駆られて」行動したとの談話を発表。オバマ大統領に恩赦を求めていることも明らかにした。
マニング被告は75万ページに上る機密文書やビデオを盗んでウィキリークスに提供したとして、7月に有罪を言い渡された。量刑言い渡しでは禁錮刑に加えて、上等兵から降格した上で給与や手当てを没収し、不名誉除隊とする処分も命じた。
法廷前には支持者が集まり、姿を見せたマニング被告に声援を送った。弁護士によると、10年たてば仮釈放される可能性もあるという。
同被告がウィキリークスに提供した情報の中には、イラクやアフガニスタンの米陸軍部隊についての報告書や、イラクでジャーナリスト2人が殺害された米軍ヘリコプターによる襲撃の映像、他国の首脳らについて論評した米外交公電などが含まれていた。